Q.なんで猫なんですか?猿じゃないんですか?
A.ハローキティが好きだからです。
情報処理の試験に出てくる「損益分岐点」という言葉。
こんな問題などですね。
https://www.fe-siken.com/kakomon/26_haru/q78.html
これについての解説を。思ったより長くなってしまいましたので、折りたたみ。
いきなり余談
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某ゲーム配信にて、ハンバーガー屋を経営するゲームの実況を見ている時。
売上を度外視し、見た目が好きだからということで、ひたすら肉肉しいバーガー(原価350円くらい。曖昧。)を600円で売り出したところ、まさかの1個も売れず。
値段を200円としたところ、やっと売れるようになりました。しかし当然思いっきり赤字です。
視聴者から「それ売れば売るだけ赤字になるぞ」「原価より安いぞ」と指摘を受けた実況者が、「損益分岐点が存在しない!?」と発言。私はPCの前で大爆笑したのですが、大半の視聴者は(おそらく)損益分岐点の意味がわからず、あまりリアクションがなく。もったいないなぁと。
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余談終わり。
「損益分岐点」とは?
一言で言えば、いくら売れば赤字ではなく、とんとん(売上とかかった費用が同じ)になるか、というものです。
以下の例で考えましょう。
・Cさんは、駅前にカレー屋を開きました。Cさんは硬派なので、メニューは普通のカレー(700円)のみです。サイドメニューも大盛りも飲み物もありません。
カレー1杯あたりの原価(材料費)は200円とします。
問1.Cさんが売るカレー1杯あたりの利益はいくらでしょう?
説明するまでもないですね。売上は700円。原価は200円。
700 - 200 = 500
なので、500円です。
では続きを…
・Cさんはカレー屋を開きましたが、思ったより売上が伸びません。
1日あたり20杯しかカレーが売れません。
問2.Cさんのお店は黒字でしょうか?赤字でしょうか?
Cさんのお店は1ヶ月で20日営業しているとします。
では利益を計算してみましょう。
1日で20杯売れるので、1日あたりの利益は500×20で、1万円です。
20日営業するので、1月あたりの利益は20万円です。
A.1ヶ月で20万円の利益なら、まぁ生活していくくらいのお金はあるんじゃないんですか?
少し考えると↑の意見はおかしいと気付きます。では何がおかしいのでしょう?
「カレー1杯あたりの原価は200円だとしても、家賃は別に必要だし、人件費とか税金とかも必要じゃないですか」
そのとおりです。この「家賃や人件費といった、売上に関係ない経費(カレーが何杯売れようが、変わらずに掛かる経費)」のことを、固定費といいます。
固定費に対して、カレー1杯売る度に掛かる経費(今回の場合は材料費。光熱費はこちらに入ります)のことを変動費といいます。
人件費は固定費に入りやすいらしいですが、ケースバイケースらしいですね。
問2では固定費が入っていませんでしたが、当然家賃はどは掛かるので、月20万円の売上では生活できないでしょう。
それを踏まえて次の問題を。前置きが長かったですが、これが本題です。
問3.Cさんのお店の固定費は月あたり40万円とします。
Cさんのお店は、売上がいくらの時に、収支がとんとんになるでしょうか。
この問3が、損益分岐点を求める問題です。
では考えましょう。
1月あたりに売れるカレーをx杯とします。
経費は「40万 + 200円 × x」です。売上は「700円 × x」です。
この2つが等しくなればいいので…
400000 + 200x = 700x
500x = 400000
x = 800
よって、1月で800杯売れれば、お店は赤字にならずに済みます。
この「何個売れればいいか」を損益分岐点販売数量と言います。(Wikipedia参照)
問題は「売上がいくら」かを聞いているので、売上を計算します。
700円 × 800杯 = 560000円
よって、56万円売れれば、収支はとんとんになります。この売上を損益分岐点売上高と言います。(これもWikipedia参照)
考え方と用語の意味さえわかれば、理解は難しくないのかなと思います。
この考え方でお店を見ると、けっこう楽しいです。スポーツジムを見て、「固定費は高そうだなぁ。でも変動費はほとんどなさそうだなぁ。(器具もプールも、ジムが混んでいようが空いていようが同じだけ掛かるので)」とか。
これを踏まえて、冒頭のゲーム実況に戻ると、売れども売れども赤字の状況を「損益分岐点が存在しない!?」の一言で言い表したのは、天才だなぁと思いました。
そんな加藤純一さんのゲーム実況は面白いのでぜひ。