明日はきれいな風が吹く

思ったことを色々書きます。

「焼きそばうえだ」(著者:さくらももこ)を読んで

「…植田さん、思い切ってTBSを辞めて、バリでヤキソバ屋でも開いた方が幸せかもね」とつぶやいた。

 

  飲みながらこんな話題になり、その後本当に焼きそば屋を開くために奮闘するという、くだらなくも笑える話です。

 面白いからやってみようという軽さで、どんどん本格的にすすめていくという、水曜どうでしょうみたいな感じで、しかし本当に現地で焼きそば屋をオープンしてしまうという。さくらももこ調で毒がありつつも、人に助けられたり足を引っ張られたりしながら、奮闘するお話です。

 

 私が一番気に入ったのは以下のシーン。

 当時、鳥インフルエンザが流行っていて、さくらももこタミフルを必死に探して手に入れるものの、友人の分までは手に入らず、いざという時は自分の分を諦めて友人に渡せるか…という葛藤をした、というのが本文にあり。以下はあとがきにて。

 今回、タミフルのくだりを書いている時、私は真剣に悲しくなった。もしも本当に全員新型インフルエンザにかかり、誰かの分のタミフルが足りなくなったとしたら、一体誰が助からないのだろう……と思うと考えたくなかった。

  その原稿を植田さんに見せると、植田さんは「さくらさんは、今まで十分いい事があったんだから、さくらさんのタミフルをオレに下さい。もういいじゃないですか」と言った。

 おまえはもういいから死ねと言っているのだ。あたしゃ驚き、ふざけんなこの万博野郎と思ったが、かろうじて沈黙を守り、もしもの時は植田さんにタミフルをあげるのはよそう、と心の中にメモをした。

  「万博野郎」というのは、植田さんが万博に似ている(よく考えると意味が分からないですが)というのから来ているフレーズです。

  こういう、人間らしい身勝手なやりとりに対して毒を吐くのが、実にさくらももこさんらしいなぁと。一人で爆笑していました。

 

 さくらももこさんの本はほとんど持っているつもりでしたが、探せばまだまだありそうなので、また頑張って集めます。